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【レビュー】ひこうき雲と私 レモン篇

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正直、思ってたのと違います。でも美味いです。美味いからレビューを書きます。


今月から酒税法が改正されまして、副原料入りでも「ビール」として扱われるようになりました。そのおかげで各社は対応を迫られたわけなんですが、私としてはそれを楽しみにしておりました。


何せ、今まではオレンジピールコリアンダーの入ったベルジャンホワイトを作ろうとすれば、どうせ「発泡酒」扱いだし、原材料費は安く済ませよう、という考え方をせざるを得なかったんです。しかし今度からは「ビール」として扱われる。


そのぶん、酒税は多く徴収されますが、やっと大手各社の本気を見れるわけですから、ビール好きには楽しみじゃないわけがないですよね。


ということで、私のいちばんのお気に入りだった「ひこうき雲と私」が復活しました。いや、もともと復活の予定だったのかもしれませんが、ここはクラフトマンシップシリーズの面目躍如です。もとはドイツ風のへーフェヴァイツェンだった「ひこうき雲と私」ですが、今回はレモンピール入りのペールエールという感じの仕上がりです。それが「思ってたのと違う」所以ですね。

 

レモンピールを使用した柑橘の風味、爽やかな余韻が楽しめるLEMON BEER。
レモンの形と色をアクセントに、春の青空をイメージしたデザイン。

「グランドキリン ひこうき雲と私 レモン篇」、「グランドキリン 雨のち太陽、ベルジャンの白」を期間限定で新発売|2018年|ニュースリリース|キリン

 

“春の青空をイメージした”というのは意味がわからないです。夏にしか見えません。野外で飲みたくなるような、すっきりとした仕上がりです。ペールエール風の苦味に加え、レモンピールの苦味と酸味が爽やかさを演出し、ペールエールの香りが余韻として残る。まあ、小豆島の公園のベンチで愛飲した、瓶のひこうき雲〜には敵わないですけどね。でも美味いですよ。コンビニ限定販売なのでAmazonリンクは貼れませんが、見かけた際はぜひ。 

 

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キリン 氷結レモン 缶
 

 

海賊版サービスのユーザーにならないほうがいい3つの理由

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「○○(無料海賊版サービス)使ってるよ!」なんて、得意げに告白してくる人がいるが、正直いってやめたほうがいい。何たって海賊版ユーザーはレベルが低いからだ。自分の信用に傷がつく。無料(違法版)コンテンツを楽しむことが許されるのは(ダメだけど)、親の理解がない子どものうちだけで、そうでない人は、ストリーミングサービスを利用すべきである。その理由は、順を追って説明していく。

 

 

1.海賊版ユーザーは「にわか」以下の“スネかじり”である


私であれば、「この人は、好きなものに金を払わずに済む範囲のユーザー(ファン)でしかない。クリエーターを応援する気はなく、自分の時間をつぶすことができれば満足なのだろう」と、その人を「タダのユーザー」としてカテゴライズする。さらに、彼らから有益な情報が得られることはないだろうと割り切ってしまっている。

 

考えてみてもほしいのだが、わざわざお金を払っているユーザーというのは、無料の範囲では物足りないから課金している場合がほとんどだ。その積極性をもってコンテンツを消費している人と、無料の海賊版で時間をつぶしている人であれば、どちらがそのカルチャーに精通しているのかは明らかである。


そのジャンル内ではバカにされる「にわか」でさえ、多少はコンテンツに金をかけている。彼らは継続的にファンでいることで「ガチ勢」に昇格する可能性はあるが、海賊版のユーザーにはその見込みもない。いわば「タダのユーザー」は、そのジャンルを支えている「にわか」と「ガチ勢」の“スネかじり”でしかないのだ。

 

 

2.海賊版ユーザーは食わず嫌いである


私は食わず嫌いが好きではない(ややこしい)。私自身もそうならないように意識している。


無料ユーザーに特徴的なのは、有料サービス(ストリーミングサービス)を使ったことがない故の閾値の低さだ。有料のストリーミングサービスは、いちどでも利用してみれば、そのクオリティの高さにわくわくするし、いったん無料ユーザーに戻ったとしても、その不自由さに決して満足できなくなる(私もそうだった)。


つまり、彼らが有料サービスを使おうとしないのは、今まで有料サービスを使ったことがない、食わず嫌いだからである可能性が高いと思うのだ。彼らほどつまらない人種はいない。やってもいないことを否定している人から、何か新しくて面白い話が聞けるはずがないだろう。


Spotifyの例を見てみよう。これは無料版と有料版(月¥980、年間契約で¥9,800)のどちらも使えるようになっている。高いと思うかもしれないが、使ってみると止められなくなる。


まずはその高音質におどろく(ビットレートは自分で選べる)。また、多くの場合は楽曲と連動して歌詞を見られるようになっていたり、さらにアプリ内のイコライザをいじることで、ジャンルごとにベストな調整ができるようになっている。もちろん、無料版ではうるさかった広告も流れない。


それに何と言っても、Spotify側が用意している無数のプレイリストを聴くことで、自分の聴く音楽の幅がどんどん広がっていくのが刺激的で楽しい。一生かけてもすべてを聴くのが難しいほどの数を用意しているのだから、いろいろと聴いてきたつもりでも、まだまだ知らない曲があるのだと実感させられる。


これらはすべて有料版の機能だが、Spotifyの無料版と有料版の比較というよりは、違法サービスと正式サービスの違いとして考えてほしい。こうした体験は、後者だからこそできることだ。違法サービスであれば、音質が安定しなかったり、歌詞を連動させてくれることもなく、イコライザをいじることもできず、毎日新しい音楽に出会える機会も用意してくれない。


1.にも通ずる話だが、自分の貴重な時間を消費する時に、「無料の体験」で済ませてしまう人から、一体どんな面白い話が聞けるだろう。無料で体験できる範囲はとても狭いのだ。本人はそれで満足しているかもしれないが、周りの人は「こいつの話つまんね」と思っている。なかなか話が広がらないのだからしょうがない。いや、本当に。

 

 

3.海賊版ユーザーは無責任である


また、違法サービスの利用は、そのカルチャーの持続性を損なう行為だ。当然ながら、Spotifyなどのサービスを利用すれば、アーティストはその再生回数に応じた収入を得られるようになっている。

 

趣旨は違うものの、このエントリーには、アーティストから明かされたというデータが示されている。

音楽ストリーミングは稼げる?収益性は今のところ1再生0.2円~1.3円 | バン活! ーバンドで稼ぐ、ロックに生きる-

 

100万回再生で得られる利益は…


YouTube→約7万6千円

Spotify→約48万4千円

Apple Music→約81万4千円

Tidal→約138万5千円

Amazon Music→約44万5千円


(中略)


これを1再生で換算すると、

Spotify 0.4円

Apple Music 0.8円

• Tidal 1.3円

Amazon Music 0.4円


ストリーミングサービスのおかげで、ユーザーは割安でコンテンツを利用し放題、その分、実力あるクリエーターにはしっかりと収入として反映される、という連鎖が起きている。もはや、彼らの収入源のひとつとして成立しているのだ。


しかし、海賊版のサービスが蔓延るとどうだろう。ガチ勢が急に無料ユーザーになるとは考えられないが、新規ファンを減らしてしまう可能性は十分にある。別の見方をすれば、新しく「閾値の低いユーザー」生み出してしまうのだ。


将来的にお金を使ってくれるはずのファンが減るのだから、ストリーミングサービス以外にも、クリエーターの収入減はどんどん失われていくだろう。そうならないためにも、違法サービスは利用されるべきではないし、もし利用していたとしても、決して周りに勧めてはならないのである。


違法サービスの利用は、ポイ捨てや水の出しっぱなしと変わらない、無責任な行為である。本当にそれが好きなら、そのカルチャーの継続と繁栄を願って、積極的に課金してのめり込み、応援していく姿勢を見せるべきだろう。できることなら周りも巻き込んで。

 

 

以上の理由から、私は海賊版サービスは撲滅されるべきだと考えるし、そのために利用もすべきではないと思っている。できることなら、ストリーミングサービスを使っていこうと周りに勧めていってほしい。

 

なお、私が今はまっているのはAmazon Music UnlimitedとNETFLIXだ。音楽に関しては、新しい曲との出会いを重視しているので、Amazonのサービスでも差し支えないと思い(シナジーもあるし)、Spotifyを解約した。ネトフリに関しては、Prime Videoでは満足できなかったから加入して、見事に大ハマりしたというだけだ。参考までにどうぞ。

 

今日はこの辺で。

 

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アジア海賊版文化?「辺境」から見るアメリカ化の現実? (光文社新書)

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〈海賊版〉の思想‐18世紀英国の永久コピーライト闘争

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【レシピ】リングイネのアワビ入り・海老と蟹のトマトクリームソース

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まるでアワビがオマケみたいな言い方で恐縮だけど、じっさいにはこのアワビを美味しく食べるためのパスタに仕上げてある。トマトの酸味と、少し臭いくらいの魚介の風味を、生クリームが上手くまとめ上げる。ソースが絡みやすく、具にも負けない弾力あるアルデンテのリングイネが相性バッチリ。


用意するもの(一人前)

リングイネ(100g分)

・剥いてある沖海老(2コ)

・ズワイ蟹の身(脚1本)

ブロッコリー(2カット)

・アワビ(1コ)

イタリアンパセリ(仕上げ用)

・トマトソース(35gくらい。市販のもので構わないが、もちろん自分で作ってもいい)

・生クリーム(大さじ2)

・オリーブオイル(適量)

 

 

ソース作り

・オリーブオイルフライパンに垂らし、海老、蟹、4等分にスライスしたアワビを強火で炒める。この工程で、しっかりと魚介の風味をオイルに移す。

 

・魚介に火が通ったら、中火にしてブロッコリーを加え軽く炒める。


・トマトソースを加え、水分が飛ぶまで煮詰める。煮詰めることでトマトの旨みを出し、魚介の風味が入ったオイルと乳化させる。


・トマトソースとオイルが乳化したら、生クリームを加える。パスタの茹で汁を加え、改めて乳化させる。乳化して、全体的にオレンジ色になったら完成。生クリームは、入れすぎるとトマトの酸味が飛び、味も全体的にボヤけるので注意する。

 


ソースと麺を絡める

・塩の入った熱湯でリングイネを茹でる。作ったソースで煮込むことを考え、アルデンテよりも手前が理想的。


・麺を味見して、アルデンテの手前の固さになったら、ソースの入ったフライパンに移す。


・麺の茹で汁もレードル1杯分加え、ソースと麺を絡めながら煮込んでいく。


・改めてソースが乳化しているのを確認し、麺の固さ、塩味を確かめる。麺がまだ固いようなら、少量の茹で汁を加え、また乳化するまで混ぜる。麺の固さは良いが塩味が足りない、という場合は塩を加えて調整する。

 

 

仕上げ

・麺の固さも塩味も良ければ、皿にあけ、盛りつける。仕上げにパセリを振って完成。

 

[レシピの方針]

もちろん、レシピとしての見やすさを意識しないわけではないが、あくまで備忘録として書く。工程だけではなく、意識したこと、注意したいことも合間にメモとして書く。また、完成してからの写真しか用意していないので、悪しからず。

 

 

 

Barilla リングイネフィニNo.11 500g[正規輸入品]

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カゴメ 基本のトマトソース 150g×5個

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マスコット イタリアンパセリ 5g

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業務用 冷凍 ゴールデンロイヤル むきえび Lサイズ 600g

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【レシピ】『ぺぺたま』自分で作ったわけじゃないけど

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昨日のエントリータイトルや写真からして、レシピを載せないのは非常に申し訳なく思った。反省を踏まえて、どうしたら再現できるかくらいは考えてみよう。

 

『ぺぺたま』は、某イタリア料理屋のメニューである。辛いけど、卵黄のおかげで口の中が痛くならない、不思議なパスタだ。

 

珍しさでオーダーしたものの、味は決して想像を超えない。もちろん非難する気は全くなく、美味しかったからレシピを書くのだ。というか、想像を超えられるとレシピにできない。

 

 

用意するもの(一人前)

・スパゲッティ(100g分)

・オリーブオイル(適量)

・ニンニク(みじん切りを5g)

・タカノツメ(ホール)

・厚切りベーコン(5〜6カット)

・卵黄(2個)

・ドライ・イタリアンパセリ(仕上げ用)

 

 

ソース作り

・オリーブオイルをフライパンに垂らし、カットしたベーコン、みじん切りにしたニンニクを強火で炒める。好みにもよるけど、ニンニクは少量でいい。パスタの出来上がりにほんのり香れば十分だ。

 

・ベーコンの表面をしっかり焦がしてから、中火にしてタカノツメを加える。タカノツメは焦がすと臭くなる。そして焦げやすい。中火でも焦げそうなら、自分で火力を調整してほしい。

 

・後で取り出すことも考え、タカノツメはホールのものを使ってほしい。このパスタは、ペペロンチーニでありながら、カルボナーラ風にまったりとしたテクスチャーが売りだ。輪切りだと食べる時には食感として邪魔になるし、取り出すのも面倒くさい。だからホールを使って、辛味や香りをしっかりと油に移してしまおう。

 

・フライパンから唐辛子の匂いがしてきたら、焦げる前にタカノツメを取り除く。

 

 

ソースと麺を絡める

・塩の入った熱湯でパスタを茹でる。指定の時間どおり茹でてもいいが、自分で固さを確認するほうが好みのものに出来上がるのでオススメだ。

 

ペペロンチーニは、麺をソースで煮込む時間があまりない。さらに卵黄と絡めるため、火を途中で止めてしまうことも考慮して、麺は食べる時の固さになるまでしっかり茹でてしまおう。

 

・麺をソースの入ったフライパンにあけ、中火で温めながら絡めていく。

 

・ソースが乳化しているのを確認して火を止める。

 

 

仕上げ

・火を止めたフライパンに溶いておいた卵黄を半分加え、全体に馴染ませる。それからもう半分を加え、絡めていく。生クリームを使っていないので、卵黄は一人前で2個使用する。

 

・卵黄を絡めながら、麺を食べて味を確認する。塩味が足りないようなら、その都度1gずつ加え、全体に馴染ませる。

 

・温めておいた皿に盛り、仕上げにパセリを振る。

 

 

[レシピの方針]

もちろん、レシピとしての見やすさを意識しないわけではないが、あくまで備忘録として書く。工程だけではなく、意識したこと、注意したいことも合間にメモとして書く。また、完成してからとった写真しか用意していないので、悪しからず。

 

 

バリラ No.5 スパゲッティー 5kg [並行輸入品]

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ユウキ MC 鷹の爪袋入 5g

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マスコット イタリアンパセリ 5g

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パスタのレシピでも書いてみようと思う

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数日前、我が意を得たりとしか言いようのない記事が、僕のTL舞い込んできた。

「パスタは食べても太らない」──カナダ研究 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 

確証を得たわけではないにせよ、「どうやらパスタは低GI食品で間違いないんじゃないか」というのだ。健康志向の皆さまにはくどいようで申し訳ないんだけど、いちおう、GI値(glycemic index)の説明しておこうと思う。

 

glycemic=血糖の、index=数値、つまり、血糖値を表すための指数である。まあ、「GI値」というと重複しているような気もするけど、すっかり定着しているから細かいことは言わない。説明しなきゃいけないのは、GI値が低いと血糖値が上がりにくい、だから「低GI食品」は血糖値が上がりにくい、正確には、上がり方が緩やかな食品であるということだ。

 

近くに糖尿病の人がいる、もしくは自分がすでに患者であるならわかると思うけど、普通、血糖値が上がりにくいのはとても都合の良いことだ。

 

人間は、食事で血糖値を上げることにより満腹感を得て、その後、下がるというプロセスを経て空腹を感じるようになる。血糖値が上がると、体内でインシュリンが分泌され、それを血糖値上昇を抑制しようとする。

 

血糖値が急激に上がればインシュリンは大量に分泌されるし、緩やかに上がれば、インシュリンもゆっくりと分泌される。

 

だからGI値の高いものを食べれば、大量のインシュリンによって血糖値が急激に下がり、「いま食べたばかりなのに、お腹が空いた」なんてことになって、食べ過ぎにつながる。

 

低GI食品であれば、そこまで高い満腹感を得られずとも、空腹も感じづらくなるから過食にはならない。そして、血糖値が急激に下がった時の「イライラ」や、「だるさ」も引き起こさない。簡単に言っちゃうと、食べるなら低GI食品のほうが好ましいのである。

 

本題に戻ると、小麦からできているから、当然、パンと同じ高GI食品だろうと思われていたパスタが、実は低GIなんじゃないかという疑いが出てきたわけだ。

 

そして何を隠そう、僕はなぜか毎日パスタを食べる日が続いていて、パスタの写真をせっせと撮りためていたのだ。そして、意外と太らないことに気づいていた。

 

炭水化物はあまり取りたくないから、せめて日々の摂取はパスタに絞ろうと、毎日少しずつバリエーションを変えて麺を選び、ソースを作る。それが功を奏して、体型のキープにつながったのだろう。これを「我が意を得たり」と言わずにはいられない。

 

というわけで、自分で作ったものや、他人に作ってもらったパスタのレシピをわかる範囲(あるいは予想)で書いてみようと思う。調理中の写真はないけど、パスタなんて出来上がった写真を見れば調理工程もイメージできるよね。

 

というわけで、いきなりレシピ系のエントリーが登場しても驚かないでほしい。今回載せている写真のパスタは、次のエントリーで使う写真だ。今日はこの辺で。

【書評】『モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書』〜“乾けない世代”への「激励」としての解体書

散々言われてきていることではあるが、ミレニアル世代は現在の「低欲望社会」牽引している。議論が分かれるところではあるが、本書はそれを前提にしたオピニオンであり、そのミレニアルズの価値観が如何にして成り立っているのかを解き明かす。そして解体書と言っておきながら、彼らへの励ましの言葉に満ちている。


いちおう説明しておくが、ミレニアルズとは物心ついた時からインターネットが身近にあった世代、1980〜2000年代初頭生まれの人たちを指す。デジタルネイティブであるがゆえに、それ以前の生まれの人たちとはライフスタイルや価値観に隔たりがある、とはよく言われることである。

出典:ジェネレーションY - Wikipedia

 

本書で著者は、そのミレニアルズを“乾けない世代”と表現する。「上の世代」が自分の空腹や承認欲求を満たすためにガツガツ働いてきた「モーレツ」だとしたら、それは飢えた自らを潤すために頑張る「乾いた世代」であり、逆に生まれた時から全てが用意されていたミレニアルズは、そうしたモチベーションを持つことができない「乾けない世代」というわけだ。

 

そんな著者も、初めは(日本の)ミレニアルズを理解できなかったひとりだ。しかし、本書を製作していく過程でミレニアルズを「乾けない世代」と表現した時、彼らに対する意識が変わり、彼らの価値を理解した。

「尾原さんが言っていることを考えると、若い人達が理解できますよ。彼らは『ないものがない』だから『乾けない』。でも、上の世代は『ないものがある』こと至上主義だから噛み合わないし、彼らの良さが活きないんですね。」

(中略)それから、色んなところで若い方々と改めて話をし直しました。本を読みました。(中略)自分なりに理解の幅を広げていくことで、「ゆとり世代」「さとり世代」といって自分のなかで理解せずに価値ゼロと言っていた方々が、どれだけ可能性に溢れた方々か、未来により近い方々からっていうことが見えてきました。

 

そこから著者は、“乾けない世代”の特徴として「シェア精神」や、残業嫌い、“既存のモノに「新しい意味」を提供”しようとする精神性などを挙げ、またそれこそが彼らの強みであると言う。

メルカリで頻繁に売買されているモノのひとつに、使いかけの口紅があります。ぎょっとしますよね。(中略)しかし、じつは非常に合理的な方法で売買されているのです。口紅は、使ったところだけ斜めに切り落とせば、新品と同じです。そして口紅は小さいので、送料も少額で済みます。

(中略)見方によっては、これは口紅のシェアリングサービスと同じだと言えるのです。使いたい分だけ使って、残りを次の人に売れば、差額と少額の送料だけが利用代ということになります。

(中略)莫大な数のユーザーがいるので、たとえ手元にある口紅がイエローで、ハロウィンパーティでしか使えないような色でも。意外と買い手がつくのです。

(中略)インターネットは、あなたにとってはいらなくなった口紅の色を、必要としている誰かと、あなたをつなげてくれる。(中略)それを「ありがとう」と言って受け取ってくれる人を見つけることができるということです。

 

インターネットの発達以前には、黄色の口紅なんて好む人を見つけることは難しかったかもしれない。しかし、今では簡単に買い手が見つかるし、買った人はその口紅を塗って「自分の好き」を表現し、それを良いと思った誰かがまた黄色の口紅を欲しがるかもしれない。その複雑なつながりを自然と作り、活用していることが彼らの強みである。先入観さえなければ、使いかけの口紅を売買するのは合理的なことなのだ。

 

iモードの立ち上げを支援したり、Google楽天執行役員を務めるなど、これまで最先端に関わってきた著者が言うのだから、彼らが“未来により近い”というのも説得力がある。

 

若い世代の価値観が理解できない人にはその説明書として、そして、まさに自分こそ“乾けない世代”だという人には尾原氏からの激励として読んでみると、勇気づけられるに違いない(私自身、まさにミレニアルズだ)し、新しい発見もあるだろう。分量からして読むのに時間がかかるものでもない。当てはまる人には、ぜひオススメしたい一冊だ。

 

 

 

 

【書評】『「日本の伝統」の正体』〜「伝統」は都合良く作られていくものである

「日本の伝統」に言及した本には何度か出会ってきたが、“伝統の正体”を知るのなら、カバー範囲の広さからこの本をお勧めしたい。

 

あくまで入門本といった風情ではあるが、最低限の裏付けはあるし、終わりには主要参考本のリストもある。知識の入り口としてウィキペディアのように使うのも良いだろう。

 

そして何よりこの本は読みやすい。(恥ずかしながら)私は知らなかったのだが、著者の藤井青銅は名の知れた放送作家である。ウィキペディアによれば、他にも作家や作詞家としての肩書きを持っており、言葉に携わってきた人であることが分かる。“日本の伝統”というジャンル内ではあるが、項目数の多いこの本がリズミカルで読みやすいのも、彼の筆致があってこそだろう。

 

文体に批判的なスタンスが垣間見えるものの、バイアスがかかっていてウンザリするようなものではないし、むしろ読みやすさを助長するために必要な語り口なのだと感じさせる(事実を淡々と述べるだけの文章では読み切る前に寝てしまいかねない)。

 

肝心の内容だが、先にも述べたように擁している範囲は広い。何なら本書のカバーにその一部が記されている。

 

初詣、六曜、バレンタインデー、夫婦別姓、一世一元、結婚式、告別式、江戸しぐさ、正座、相撲、箱根駅伝、アロハシャツ、マトリョーシカetc...

 

たとえばバレンタインデーの風習として定着している、女性から男性へチョコレートを贈る「伝統」だが、本書にもあるように、その発祥は最近になってよく知られるようになった。

 

昭和三十三年(一九五八)、東京のメリーチョコレートが、「バレンタインデーに女性から男性にチョコを贈ろう」とキャンペーンを始めた。が、まるで売れなかったという。(中略)ほどなく、「本命チョコ」と「義理チョコ」が登場する。この義理チョコこそ実に日本的な発明で、これによってチョコの消費が伸びた。だって、本命は一人だが、義理の相手はたくさんいるから。

 

そして、本書のテーマが「日本の伝統」であることから、話は恵方巻やクリスマス、ハロウィンにも広がる。これこそ資料性のある本の面目躍如だろう。恵方巻についてはすでに本書で言及されているのだが、つまり、わざわざ記念日を作って売り出したのは、バレンタインデーを見習ってのものだろうということだ。

 

さらに、

バレンタインデーが落ち着きを見せてきたあと、代わって盛り上がってきたのがハロウィンだ。もちろんそれ自体は、外国では古くからある伝統だが、日本では東京ディズニーランドが行なった平成九年(一九九七)から話題になり始めた。二〇〇〇年代になって、街で仮装パレードなどして、若者たちは盛り上がっている。

 

(中略)遡れば、バレンタインデーの前史としてクリスマスイブの大成功があった。クリスマスが日本に入ってきたのはもちろんずいぶん早いが、やはり庶民の間で一般的になったのは戦後怒涛のように流れ込んだアメリカ文化のおかげだろう。一九五〇〜一九六〇年代。当時の若者にとっては目新しくカッコいい伝統行事だった。

 

(中略)が、その子供たち世代にとっては、どうだろう?親世代の祭り(中略)は古臭いものだ。(中略)「古くて新しい」という側面がなければ、人は飛びつかない。そこへ、バレンタインデーという、古くて新しい伝統行事が提示された。

 

(中略)かくして、約二十〜三十年のサイクルで、その時の若者に目新しくカッコいい外国由来の伝統行事が盛り上がり、移っていく。

 

このように、伝統を謳っていながら実は歴史が浅い、あるいは商用のために作られただけの「伝統」が多く見受けられる。

日本人は新しいものが好きなのだ。(中略)そして、一見新しいが「実は古い伝統がある」ということを知って、安心する。(中略)それが商売と結びつくと、一気に「伝統行事」として広がるのだ。(中略)歳時記をめくり、まだ使われていない「季節」「記念日」と「売り物」のセットを思いつけば、それは新たな伝統ビジネスとなるだろう。

 

 

しかし、批判的なスタンスであれ、今まで言われるがままにやり過ごしてきた「伝統」について知っておくのは悪いことじゃない。

 

「知る」ことは、伝統に従うことの意味を知ることでもあるし、それによって「従わない(参加しない)」という選択肢も増える。そして多くの場合、自分が参加するイベントの趣旨を知っているほうが楽しめるものなのだ。バレンタインデーチョコを、何も知らずにまんまと買わされるのでは納得いかないが、知ったうえで受け入れるのであれば、それも悪くないのではないだろうか。

 

 

「日本の伝統」の正体

「日本の伝統」の正体

 

 

江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統 (星海社新書)
 

 

日本人の坐り方 (集英社新書)

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