「好き」と「良い」の違いを知ると理解が深まります。いろいろと
ブログを再開してSNS利用時間が減った谷です。もう少し実のあるアウトプットを、という心がけが芽生えてきました。
女子たちに「これ良くない!?」とか言われると、「いや、良いかと言われるとそんな気もするけど、もう少し検討してみなきゃ分からないかな」と言いたくなるのを思い留めて、結局は「あー、良いかもね」とにべもない返事をします。何故かって、「良い」ってよりは「好き」なだけでしょう?という話だからです。
これは絶対値と相対値の違いなんですよ。好き(嫌い)と判断するのに理由は要らないですが、良い(悪い)と判断するためには、何と比較してどの部分が優れているのか(劣っているのか)という視点が必要だということです。 もっと一般的に、主観と俯瞰の違いだと言うこともできますね。
実際の話、「わたし、これが好きなんだよね」と言われるよりは「これ良くない!?」と来るほうが話は盛り上がるんですが、この「好き嫌い」と「良し悪し」の違いを理解しているのとそうでない場合とでは、何かコンテンツを消費する時に得られる経験値が違ってくるんですよ。それに、そうやって消費されればコンテンツを作る側にもメリットがある。
例を挙げてみましょう。Aという男性の役者がいたとします。彼は若手のイケメン俳優です。多分にもれず、若い女子たちに「イイよね!」と言われ、少女漫画原作の恋愛映画に出演しまくりです。しかしAは、若い女子たち以外にはあまり認知されていません。何故でしょう。
それは、別に「良く」ないからです。若い女子たちはAがカッコいいから「好き」ですが、役者としての評価が特別に高いわけではないのです。でもAの所属事務所としては、若い女子たちの「好き」を糧にしてAを売り出しているわけですから、Aの演技の評価が低くてもいいわけです。そして女子たちは、事務所に搾取されていることなんて知りもしません。というか、自分たちだけで盛り上がっている時点で、この俳優が飽きられたら、また事務所がルックスだけで俳優を雇うようになったら、これは事務所(芸能界)の質の低下を招きますから、持続性がありません。
それではここで、女子たちが「好き」と「良い」を区別するようになったとしましょう。
「Aって顔は良いけど、演技がね…」
「そうそう。顔だけならAのが好きやけど、演技力も考えるとBのほうがええかな」
Bもイケメン俳優として売り出していますが、彼の売りはルックスよりはむしろ演技力、ということにします。女子たちがこのように自分たちの「好き嫌い」と俳優の「良し悪し」を区別し、俳優を正当に評価するようになれば、Aは演技力を磨かざるを得なくなるでしょう。そうやって俳優を評価することで彼女たちは演技を観る目を養い、また俳優には向上心が生まれます。
消費者として、「この人はルックスだけで売ってるんだ」という事務所の意向に気づくようになれば、無駄な消費を避け、賢い選択をできるようになり、また売る側も消費者をバカにしたようなコンテンツを作ることが損になると分かり、持続性を大事にするようになるでしょう。そして、「生産者側の思惑を知る」という構図を、様々な消費に応用できるようになります。こうしてますます賢い選択をしながら生きていけるようになるわけです。
話が飛躍したような気もしますが、言いたいのは、「好き嫌い」だけでものを見ていれば搾取されるし、商品の提供者側もそれに合わせて質の低いコンテンツを量産するので、消費者にとっては損でしかないということです。自分の目を養うためにも、好き嫌いと良し悪しを意識してみてはいかがでしょうか。
ヒップホップが作業用BGMとして優秀であるとちょっと前に気づきました。あまり興味ないから聞き流せるのかもしれません(あまり興味ないのにノれるんですよね)。